没頭2016年11月06日

電車の中で窓ガラス越しに髪の毛をしきりにいじっている若者をたまに目にする。

この光景をおっさん視点でチャラいと批判することが本題の主旨ではない。

むしろ羨ましいくらいだ。

というのも、大勢の見ず知らずの人がいる中で自分の顔を凝視するなんてわたしには到底できないからである。

だから外出先で身嗜みをふと整えたくなったりしたらどうするのかというと、鏡の付いたエレベーターに一人になったときや、トイレの洗面台に誰もいなくなったときを見計らって確認することにしている。

たまにエスカレーターに沿った壁面に鏡が設けられていることもあるが、そうした場面でも前方後方に人がいると恥ずかしくてまともに鏡に顔を向けることができない。せいぜいチラッと覗くぐらいである。

こんなこと云うと、お前どんだけ自意識過剰なんだと突っ込まれそうだが、はい、仰る通りです。

自分のことなんて他人は殆ど気にしていないし、きっとそうに違いないんだけど、いつの頃からかよそ様の目を気にするようになってしまった。

ところで、わたしの中では、髪の毛いじりに没頭している先の若者は周りのことなんておよそ視界に入っていないと思う。 だからそこに恥ずかしさなんて微塵もない。

しかし他者を意識せずある行為に熱中ばかりしていると、周囲にはみっともない行動として映ることが時にある。最近ではスマホやお化粧いじりが最たるもので、直接迷惑を被っていなくても、側にいてあまりいい気はしない。

すると、もしかしてわたしは他者への配慮を非常に重んじてしまったがゆえに、窓越しに映る自分の姿すら見られなくなってしまったのだろうか?

馬鹿げているがそれも一興だ。

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