"sprich"の訳し方2017年01月28日

標題の「sprich」は、日本語で「つまり」という意味。

ドイツ語学習者なら、「also」「das heißt」「kurz gesagt」などを思い浮かべてみて欲しい。

しかしながら、この単語、おそらく動詞の「sprechen」が変化した単純な形ではあるものの、そこらへんの辞書には掲載されていない。

もちろん「≦ 300 g/l (sprich: 300 Gramm oder weniger) 」という文脈から判断すれば、「sprich」が「つまり」の意味であることぐらい自明なのだが、非ネィティブの翻訳者からすると、果たしてこの単語のスペルは本当に正しいのか、もしかして厳密には「つまり」の意味じゃないのではないか、などと不安になってしまう。

そして、こういう(謂わばどうでもいい箇所で)時間をロスしてしまうのが私の欠点。

そこで、ネイティブに念のため確認すると、

「das heßt!」

と即答された(チーン)


ドイツ語:Als Komponente B) enthält die erfindungsgemäße Zusammensetzung eine Natriumverbindung, die bei pH 7 bei 20 °C eine Löslichkeit in Wasser von ≦ 300 g/l (sprich: 300 Gramm oder weniger) hat.

英語:As component B), the composition of the invention comprises a sodium compound which at a pH of 7 at 20°C. has a solubility in water of ≦300 g/l (in words: 300 grams or less) .

日本語:成分B)として、本発明による組成物は、pH7及び20°Cで≦300g/l(300グラム以下という意味)の水溶解度を有する。


なお、対応US出願のものは「in words」と記載されているが、これは「in a word」や「in short」、または「in other words」の誤記だろう。

ちなみにドイツ語の「つまり」には、上記以外に「kurzum (kurzemじゃないよ!)」というフレーズがあるのもご存じだろうか?

大独和辞典をひらくと、「要するに」、「手短でいえば」と記載されている(こんなのもあったんだねぇ)。

それにしても、当時私は「sprich」を「つまり」にしているかと思いきや、いま公報で見返すと「~という意味」で訳していた。。

出典:WO2015036291 (A1)

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